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手足のしびれは脳卒中のサイン?受診の目安とセルフチェック

2026.05.15

「手がしびれる」「足の感覚がいつもと違う」――このような症状は、日常の中でも比較的よく経験されます。長時間同じ姿勢でいた後や、首・腰の神経への負担、血流の一時的な変化などで起こることもあり、すべてが脳卒中というわけではありません。

ただし、しびれの出方によっては注意が必要です。特に、片側の手足だけに突然しびれが出た場合、力が入りにくい、顔がゆがむ、ろれつが回らない、歩きにくいなどの症状を伴う場合は、脳卒中のサインである可能性があります。

脳卒中は、発症から治療までの時間がその後の経過に大きく関わる病気です。症状が軽く見えても、自己判断で様子を見ることが危険につながる場合があります。この記事では、手足のしびれと脳卒中の関係、危険なしびれの見分け方、受診の目安、セルフチェック方法について解説します。

脳卒中とは

脳卒中とは、脳の血管が詰まったり、破れたりすることで、脳の働きに障害が起こる病気の総称です。代表的なものに、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血があります。

脳梗塞は、脳の血管が詰まり、脳の一部に十分な血液が届かなくなる病気です。脳出血は、脳の中の血管が破れて出血する病気です。くも膜下出血は、脳の表面を走る血管にできたこぶが破れるなどして、脳の周囲に出血が起こる病気です。

脳卒中の特徴は、多くの場合、症状が突然現れることです。さっきまで普通に話していたのに急に言葉が出にくくなる、歩いていたのに急にふらつく、片側の手足に急に力が入らなくなる、といった形で気づかれることがあります。

手足のしびれと脳卒中の関係

手足のしびれには、首や腰の病気、末梢神経の障害、糖尿病、血流の問題など、さまざまな原因があります。そのため、「しびれがある=脳卒中」とは言い切れません。

一方で、脳卒中によるしびれでは、片側の手足や顔に症状が出ることがあります。右手と右足、左手と左足、顔の片側など、体の左右どちらかに偏って症状が出る場合は注意が必要です。しびれだけでなく、感覚が鈍い、力が入りにくい、

特に気をつけたいのは、突然始まったしびれです。以前から少しずつ続いているしびれと、ある時点から急に出現したしびれでは、考えるべき病気が異なります。急に片側の手足がしびれた、急に力が入りにくくなった、急に話しにくくなった場合は、脳卒中を疑って早急な対応が必要です。

一時的に治まったしびれも注意が必要

数分から数十分で症状が治まると、「もう大丈夫」と感じるかもしれません。しかし、片側の手足のしびれや麻痺、言葉の出にくさなどが一時的に起こって改善した場合、一過性脳虚血発作、いわゆるTIAの可能性があります。

TIAは、脳梗塞の前ぶれとして起こることがあります。症状が消えたから安全、という意味ではありません。むしろ、近いうちに本格的な脳梗塞を起こす危険があるため、早めに専門的な評価を受けることが大切です。

脳卒中を疑うセルフチェック

脳卒中を疑うときに覚えておきたい合言葉が「FAST」です。ご本人だけでなく、ご家族や周囲の方が気づくためにも役立ちます。

F:Face(顔)

笑ったときに片方の口角だけ下がる、顔の片側が動かしにくい、左右で表情が違う場合は注意が必要です。

A:Arm(腕)

両腕を前に上げたときに、片方の腕だけ下がってくる、片方だけ力が入りにくい、物を持てない場合は危険なサインです。

S:Speech(言葉)

ろれつが回らない、言葉が出にくい、言い間違いが増える、相手の話を理解しにくい場合は、脳の言語機能に異常が起きている可能性があります。

T:Time(時間)

顔・腕・言葉の異常がひとつでもあれば、症状が始まった時刻を確認し、すぐに医療機関へ相談してください。強い症状や急な症状の場合は、救急要請をためらわないことが大切です。

しびれと一緒に注意したい症状

手足のしびれに加えて、次のような症状がある場合は、脳卒中の可能性を考える必要があります。
• 片側の手足に力が入らない
• 顔の片側がゆがむ
• ろれつが回らない
• 言葉が出にくい
• 急に歩きにくくなった
• ふらつきが強い
• ものが二重に見える
• 片方の視野が欠ける
• 経験したことのない激しい頭痛がある
特に、これらの症状が突然起こった場合は、様子を見るよりも早く受診することが重要です。

受診の目安

急に片側の手足がしびれた、力が入らない、話しにくい、顔がゆがむ、激しい頭痛がある。このような場合は、脳卒中の可能性があります。症状が軽くても、短時間で改善しても、放置しないでください。

症状が今まさに出ている、急に悪化している、明らかな麻痺や言葉の異常がある場合は、まず救急要請を含めた早急な対応を検討してください。脳卒中が疑われる場面では、外来受診を待つよりも、時間を優先した対応が必要になることがあります。

一方で、両手の指先がじわじわしびれる、首を動かすと腕にしびれが響く、腰から足にかけてしびれる、長期間同じようなしびれが続いている、という場合は、脳以外の病気が関係していることもあります。ただし、原因を自己判断するのは難しいため、症状が続く場合や不安がある場合は医療機関で相談しましょう。

脳神経外科で確認できること

脳神経外科では、診察で症状の出方や神経の働きを確認し、必要に応じてMRI検査やMRA検査などを行います。MRIでは脳梗塞や出血などの有無を確認し、MRAでは脳の血管の状態を調べます。

手足のしびれの原因が脳にあるのか、首や腰、末梢神経など別の原因が疑われるのかを見極めることが、適切な治療や予防につながります。

脳卒中を予防するために

脳卒中の予防では、高血圧、糖尿病、脂質異常症、不整脈、喫煙、過度の飲酒などの管理が重要です。特に高血圧は脳卒中と関係が深く、日頃から血圧を把握しておくことが大切です。

塩分を控えた食事、適度な運動、禁煙、体重管理、定期的な受診や検査は、脳卒中の予防につながります。症状が出てから慌てるだけでなく、普段から血管の状態を意識しておくことが大切です。

まとめ

手足のしびれは、姿勢や神経の圧迫などでも起こりますが、突然片側に出たしびれは脳卒中のサインである可能性があります。しびれに加えて、力が入りにくい、顔がゆがむ、ろれつが回らない、歩きにくい、激しい頭痛がある場合は注意が必要です。

症状が一時的に治まっても、TIAのように脳梗塞の前ぶれである場合があります。「治ったから大丈夫」と自己判断せず、早めに相談することが大切です。

ながしま脳神経外科リハビリクリニックでは、手足のしびれ、脳卒中が疑われる症状、脳卒中予防に関するご相談に対応しています。気になる症状がある方は、早めにご相談ください。

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